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Misson for Life Island clinic minimally invasive surgery center. since 2003 
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Laparoscopic distal gastrectomy with hand sewn GD

胃がんに対する腹腔鏡下胃切除・腹腔鏡下手縫いを用いた胃十二指腸吻合

Technique "Hand sewn gastroduodenal anastomosis"


胃がんに対する手術療法のうち、胃の出口付近の1/3前後を切除する幽門側胃切除術(ゆうも腹部瘢痕最大の『きず』は胃を取り出したお臍です。(クリックすると大きくなります)んそくいせつじょじゅつ・Distal gastrectomy)はもっとも普通に全国で行われている術式です。この術式がリンパ節郭清の必要な胃がんに対しての腹腔鏡手術として1990年代に初めて導入されました。腹腔鏡の力を借りて20cm以上あった腹部の切開をかなり小さくすることが可能でありました。この手術が始められた当初はリンパ節郭清、血管処理などは腹腔鏡下に行い、そして上腹部に5cm程度の小さな開腹をおいて、その傷から病変を含んだ胃の一部をリンパ節の集団とともに切除する『腹腔鏡補助下幽門側胃切除術:LADG(Laparoscopy Assisted Distal Gastrectomy)』が行われました。腹腔鏡下にリンパ節郭清を行うこと、胃に出入りする動脈、静脈などの血管を処理するするのは腹腔鏡下に比較的容易に出来ましたが、癌を取り残さないように胃を正確なラインで切除すること、そして食物の通り道を再建することが困難であるとされたのがその理由した。そのため、胃を切除すること、そして残った胃と十二指腸(ビルロート1法)、または胃と小腸(ビルロート2法、ルーワイ法)をつなぎ合わせるのは5cm程度の小開腹から行うことがほとんどでした。技術の向上によってそれらの方法が、小開腹をおかない『”完全”腹腔鏡下幽門側胃切除術』へと発展してきています。ビルロートI法では自動縫合器を使用する『デルタ吻合』(Kanaya)が有名で多くの施設で行われています。またデルタ吻合のコンセプトを継承しつつgastroduldenal anasto器械吻合とはかなり違う吻合部(クリックすると大きくなります)、改変したいわゆる『三角吻合』である『Book Binding Technique』(Oki)そして『新三角法』(Ohmori)などが開発されてきました。このビデオは自動縫合器を使用しない腹腔鏡下ビルロートI法再建の様子です。これまで針と糸だけで胃や腸を縫うことはほとんど行われてきませんでした(かなり前に大阪大学の滝口修司先生の報告があります)が、福岡大学(現・井上病院)の松尾勝一先生がこの”困難”とされてきた完全腹腔鏡下手縫いのビルロートI法再建のシリーズをEAES:欧州内視鏡外科学会で報告し2011年のBest Video Awardに輝いています。MISSIONも松尾先生の影響を受け、2012年からデルタ吻合に加え手縫いも導入しました。 手縫い吻合のメリットはコストが圧倒的に安いこと、真の端々吻合が出来ること、縫合ラインが均一でウィークポイントを作りにくいこと、十二指腸の縫い代が短くても吻合出来ること、縫合部からの出血が少ないこと、助手への依存が少ないこと、などがあると考えています。欠点は器械吻合に比べて時間がかかること、腹腔鏡下縫合技術が求められること、器械吻合に比べて吻合部の浮腫を来しやすく一過性の通過障害を来すことがあること、などです。これまでわれわれが行った症例では縫合不全やその他の合併症はなく、胃カメラで観察した術後の吻合部の様子も器械吻合特有の瘢痕はなくとてもキレイでした。全ての症例に手縫いがいいかは分かりませんが、十二指腸の縫い代が長くとれない、何らかの原因で器械吻合が困難になった場合などには有用と思われますので手縫いによる再建ができるような技術はもっておいたほうがいいと考えています。(2013年1月)



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