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Misson for Life Island clinic minimally invasive surgery center. since 2003 
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TEM

MISSION

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今回諸君に課せられたミッションはこうである。67歳の女性の下部直腸に直径5cmの腫瘍が見つかった。現在のところガン組織は証明されていない。しかし前癌病変として切除する必要がある。腫瘍は肛門のすぐ近くにある。肛門の機能を完全に温存しこの腫瘍を切除せよ。いつものことだが何がおこっても当局は一切関知しない・・それでは成功を祈る。

STRATEGY

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消化器内科の先生から大腸内視鏡下では切除できなかったのでなんとか外科的に切除できないか?との依頼があった。肛門から腫瘍下端まで5cm,上端まで10cm ,肛門を開いて直視下に切除するには上縁付近が視野確保困難であろう。経仙骨的に後方からのアプローチではマーキングさえすれば切除できるだろうが直腸を全層で切除する必要がある。腹部を切開する低位 前方切除や人工肛門を造設するマイルス手術などは論外である。このような腫瘍に最も適したオペはTEM(Transanal Endoscopic Microsurgery)であると考えられる。しかしINAMINEはこのオペを施行したことも無ければ技術的なトレーニングを受けたこともない。今回はこのオペに関して世界の第一人者であるあのエルクの金平永二先生に執刀を依頼することとした。

DOCUMENT

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LST大腸内視鏡検査の写 真。ぶつぶつしたところが腫瘍である。平べったい比較的大きな腫瘍であり大腸内視鏡では切除できなかった。ときは2002年11月中旬、内科のドクターよりこの患者さんの治療を依頼された。いろいろ検討した結果 TEMが最適な選択であるとの結論に達した。しかし問題は何時、誰が、どこでその手術をするか?ということだった。内視鏡手術は教科書で勉強したり手術ビデオをみたりしただけでは困難である。残念ながらINAMINEにはTEM技術はない。そこでこのオペに関しては国内はおろか世界的にみてもおそらくNO1である金平先生に手術をしてもらえないか相談した。面 識は無かったのでE-mailでお願いしたところ快く引き受けていただいた。しかし多忙を極めていらっしゃる先生なので12月18日しか調整可能な日はないとのことであった。患者さんは直腸腫瘍であると説明され手術が必要であると説明したところ人工肛門になってしまうのではないかとかなり落ち込まれていた。この患者さんをなんとか最高の技術で治療してあげたいと思い金平先生にその日でなんとかスケジュールを組んでいただけないかとお願いした。NAKAGAMI病院もその日は水曜日で午後から手術ができない日であったが手術室の婦長と麻酔の先生、その他外科のスタッフに 依頼したらみんな休みを返上しINAMINEに付き合ってくれた・・感謝!  2002年12月18日石川県小松空港8時35分発のJTA機で金平先生は沖縄に向かった。飛行機は定刻より10分早く午前11時に那覇空港に到着した。那覇空港の到着ロビーで金平先生をお迎えし病院に向かう。車内でオペの打ち合わせをする。TEMに必要な適切なサイズの針糸がないことが判明した。ケイタイで沖縄県内の病院にあたってみる。NAKAGAMIから40Km離れた県立北部病院に在庫があるという情報が入る。業者の方に無理なお願いをしたところ取りに行ってくれると・・感謝!病院に到着しspecimen切除後ホルマリンで固定した腫瘍。最大5cm程度の大きな腫瘍である。一括で切除され取り残しもなかった。1時間ほど休憩をとって14時30分からオペは開始された。 TEMのセッティング等は数日前から手術室の看護しさんが一生懸命勉強し準備してくれたおかげできわめてスムーズに事は運んだ。金平先生のオペはやはり完璧だった。感動する間もなく1時間ちょっとでオペは終了した。

術後経過もきわめて良好であった。術後1日目まで軽い肛門痛があったが軽快、水分、食事を開始しても何ら問題はなかった。5日目にでも退院可能であると判断されたが本人の希望で7日目に退院となった。その後外来で経過観察をしているが特に問題は発生していない。本当にすばらしい手術であった。




COMMENT

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ELKTEMのオペを施行する金平永二先生(円内左、右はINAMINE)とその芸術的なテクニックに感動する外科医その他手術室のスタッフたちときは2002年11月中旬、内科のドクターよりこの患者さんの治療を依頼された。いろいろ検討した結果 TEMが最適な選択であるとの結論に達した。しかし問題は何時、誰が、どこでその手術をするか?ということだった。内視鏡手術は教科書で勉強したり手術ビデオをみたりしただけでは困難である。残念ながらINAMINEにはTEM技術はない。そこでこのオペに関しては国内はおろか世界的にみてもおそらくNO1である金平先生に手術をしてもらえないか相談した。面 識は無かったのでE-mailでお願いしたところ快く引き受けていただいた。しかし多忙を極めていらっしゃる先生なので12月18日しか調整可能な日はないとのことであった。患者さんは直腸腫瘍であると説明され手術が必要であると説明したところ人工肛門になってしまうのではないかとかなり落ち込まれていた。この患者さんをなんとか最高の技術で治療してあげたいと思い金平先生にその日でなんとかスケジュールを組んでいただけないかとお願いした。NAKAGAMI病院もその日は水曜日で午後から手術ができない日であったが手術室の婦長と麻酔の先生、その他外科のスタッフに 依頼したらみんな休みを返上しINAMINEに付き合ってくれた・・感謝!  2002年12月18日石川県小松空港8時35分発のJTA機で金平先生は沖縄に向かった。飛行機は定刻より10分早く午前11時に那覇空港に到着した。那覇空港の到着ロビーで金平先生をお迎えし病院に向かう。車内でオペの打ち合わせをする。TEMに必要な適切なサイズの針糸がないことが判明した。ケイタイで沖縄県内の病院にあたってみる。NAKAGAMIから40Km離れた県立北部病院に在庫があるという情報が入る。業者の方に無理なお願いをしたところ取りに行ってくれると・・感謝!病院に到着し1時間ほど休憩をとって14時30分からオペは開始された。 TEMのセッティング等は数日前から手術室の看護しさんが一生懸命勉強し準備してくれたおかげできわめてスムーズに事は運んだ。金平先生のオペはやはり完璧だった。感動する間もなく1時間ちょっとでオペは終了した。

術後経過もきわめて良好であった。術後1日目まで軽い肛門痛があったが軽快、水分、食事を開始しても何ら問題はなかった。5日目にでも退院可能であると判断されたが本人の希望で7日目に退院となった。その後外来で経過観察をしているが特に問題は発生していない。本当にすばらしい手術であった。

(2002年)

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