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Misson for Life Island clinic minimally invasive surgery center. since 2003 
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The MATRIX Surgery

"Ever Cutting Edge" takes us the Next .

2010年12月、愛知県豊明市の藤田保健衛生大学附属病院を訪ねた。ここに来るのは4年ぶりだ。前回は最高の腹腔鏡下胃全摘を学ぶために、そして今回は最先端手術であるRobotic Surery〔ロボット手術)を見学させていただくためである。常に前人未踏の地を切り開いてきた宇山一朗(うやまいちろう)先生が2年前から本格的に取り組んでこられた近未来の外科手術、学会で目にしたその衝撃的な映像が僕の脳裏から離れることはなくどうしてもこの目でこのオペの本質に触れたいと思っていた。この手術を冷ややかに受け止める人も、批判的な目で見る人も、そして絶賛する人もいるだろう。da Vnci 〔ダビンチ)を使ったロボット手術とはいったい何者なのか?そして何をめざしているのか?どんな可能性を持った手術なのか・・その本質に迫りたい。

patient cart2内視鏡外科手術がどんなものであるのかを知らないにしても、あの国民的英雄である”王貞治”さんの胃がん手術の執刀医として指名されたことで一躍世間一般でも有名になった『世界のスーパードクター』である”宇山一朗”先生を知らない人はいないだろう。宇山先生は僕だけでなく内視鏡外科手術に関わっている人たちみんなにとって特別な存在だ。その存在の大きさを一言で語ることはできないが僕にとってはまるで宇宙のようなものだ。無限、エネルギー、法則、神秘、摂理、運命・・・とても全体像を捉えることはできないが全てのものを生み出す力に満ちている。胃がんの治療としての腹腔鏡下胃切除術においてはほとんど不可能と考えられていた開腹手術と同等以上のリンパ節郭清が腹腔鏡下に可能であることを初めて世に示し、今日、日本中で行われているその手術の標準スタイルを作り上げた。さすがに不可能だと思われていた胃全摘術(王貞治さんが受けた手術)をも10年以上前に開発し食道空腸吻合の標準法である"overlap法"を確立した。食道癌の手術においては開胸手術のスタイルを模倣した左側臥位胸腔鏡手術というドグマの呪縛を解き放って腹臥位手術を本邦へ導入し、そのコンセプトは食道癌だけでなく肝臓手術など様々な領域に強い影響を与えている。また、『世界のスーパードクター』でも放映されたように腹部手術でもっとも困難なオペの一つである”膵頭十二指腸切除術(PD)”を完全腹腔鏡下に遂行した。その宇山先生が胃がんの手術においてRobotic Surgery(ロボット手術)を本格的に導入して2年になろうとしている。以前はロボット手術が本当に必要なのか疑問に思っていた僕だが学会であのda Vinci S HDによる胃がんの手術映像で強い衝撃を受け、改めて自分の小ささを思い知らされた。そして、同時に新たな次元のオペの時代の始まりを確信したのだった。それ以来、どうしてもそのオペの現場に触れることを夢見ていたのだがその夢が今回ついに叶うこととなった。

病院での業務を何とか終わらせて那覇空港から飛び立ったBoeing777機で2時間余りの飛行の後セントレアに着陸したときにはすでにあたりは暗くなっていて電車で名古屋市内のホテルに着いたときは既に21時を過ぎていた。翌朝は快晴で電車とタクシーを乗り継いで豊明市の”藤田保健衛生大学病院”へとたどり着いた。4年前に来たときのオペの様子は昨日のことのようにはっきり覚えていたものの病院内をどうやって医局やオペ室に行ったのかは全く記憶になかった。幸い病院玄関で吉村先生に会うことができたので医局まで案内してもらい宇山先生にお会いすることができた。そして、恐れ多くも宇山先生直々にORまで案内していただき”da Vinci部屋”にたどり着くことができたのだった。

patient cart2patient cartオペ室では、すでに患者さんには全身麻酔がかかりオペの大まかな準備は整っていた。Mr.da Vinciと呼ばれている石田先生と担当医の先生は患者さんの両サイドについて着々とオペの準備を進めている。
今回のオペの主役の一人であるロボット,da Vinci はアメリカのIntuitive社が開発した手術支援ロボットで正式には"da Vinci S HD Surgical system"と呼ばれるda Vinciの第3世代機だ。da Vinci systemは上のビルボードの写真(Intuitive社提供)に示すように3つのパートからなっている。一つは"patient cart"と呼ばれる手術を受ける患者さんと直接関わる部分である。4本の”大きな”アームは7つの関節をもっている。4本のうち1本のアームは外科医の目となるカメラが取り付けられる。そのカメラは通常の腹腔鏡手術と違い左右2台のカメラが装着され両眼視、つまり手術の対象となる臓器が3D(3次元)に見ることができる。しかも、HD(High definition)画像であり肉眼を遥かに凌駕する高精細な画像が得られる。残りの3本のロボットアームには外科医の技術と意志を伝達する”手”の役割をする”EndoWrist”が装着できる。主に、臓器を把持する”把持鉗子”や組織間を剥離する”剥離鉗子”、そして組織を出血なく切離することができるエネルギーデバイス(超音波メスなど)が装着できる。外科医は”両目”と”3本の手”をコントロールして手術を行うことになる。2つ目のパートは手術の現場である腹腔内の映像を処理しモニターに映し出す『Vision Cart』である。そして3つめのパートが外科医が直接ダdavinci devicedevice: EndoWristビンチをコントロールするいわば操縦室にあたる"Surgeon Console"である。『da Vinci』のネーミングはもちろん、”モナ・リザ”や”最後の晩餐”等で有名なルネッサンス期に活躍した”万能の天才”である『Leonardo da Vinci(レオナルド・ダ・ビンチ)』に由来していると思われる。

さて、そうこうしているうちに患者さんの腹部には1cmあまりの皮膚切開がおかれ”エンド・リスト”を腹腔内に誘導するための”ポート”が挿入されていった。まず初めにカメラが入るポートが臍部から、そしてda Vinciの3本のアームが使用する専用のカニューラが3カ所、そして助手が使用する1カ所のポートが順次挿入されていった。通常の腹腔鏡手術よりはかなりポート間の距離が長かったが、それはアーム同士の干渉を最小限にするためであるらしい。そして、次に患者さんの頭側で待機していたda Vinciの大きな本体を患者さんの横たわるテーブルへと複数のスタッフの協力のもと微妙な角度調整をして注意深く移動させていった。そしてついにロボット・アームにカメラやエンドリストが『ミスター・ダビンチ』こと『石田善敬(よしのり)』先生によって取り付けられ『ドッキング』が完了しオペはReady状態となった。

consoleProf.Uyama at Surgeon Console待機していた宇山先生がついにコンソールへと入りオペは開始された。コンソールにはあの映画”アバター”で一躍ブレイクした3D (3次元画像)モニターが装着されており術者のみがそれを経由して腹腔内の3次元空間へ入ることを許可される。ロボットのアームとリストをコントロールするためハンドルに宇山先生の左右の2本の指が挿入された。両足の近くにはda Vinciのカメラやアーム、そして電気メスや超音波メスなどのエネルギーデバイスのコントロールのための複数のフットスイッチが鎮座していた。宇山先生の両手、両足が動き出した瞬間にda Vinciのロボットアームがまるで有機生命体かと思うような極めてスムーズな動きをした。そして、術者以外の我々がオペの現場である腹腔内を見ることのできるモニターにも2次元ながらHD (Hi definition)画像が映し出される。外科医の左手から意志を伝える把持鉗子は無段階で制限のない自由な動きのもとにソフトに臓器を把持した。そして右手の意志を伝える剥離鉗子もやはり生き物のように組織間を剥離したかと思うと次の瞬間には細い血管に高周波エネルギーを与えながらさらさらと組織を切離していった。左手には止血のエネルギーを,そして右手には切開を含むエネルギーを従え戦闘は途切れることなくシームレスに続いていく。左手には盾を右手には剣を持っている西洋の戦士のようである。モニターの中の左右の鉗子類はとにかくリズミカルに曲線を描きながら作業をこなしていくという感じだ。ふと外の世界を見ると、ロボットアームが忙しく動いている。その動きは生き物のようにスムーズであるが、意外にもというよりビックリするくらい大きな動きをする。時に、患者さんの側に付き添っている2人の助手の先生に無情に襲いかかってくる感じだ。また手術の流れや局面の変化などによって外科医が必要とする『武器』を交換しなければならない。今回のケースは比較的内臓脂肪が多かったため通常の剥離鉗子と電気メスだけでなく超音波メスを多用することが多かった。da Vinciは使用する道具をロボットが自動的に交換することができないのでSurgeon Console内の術者ではなくPatient Cartに近い助手がその役割を担うことになる。宇山先生の指示によってアームに取り付けられる鉗子の着脱が繰り返される。その間のもたつきは全く感じられなかったのでオペは本当に一定のリズムで、その流れを絶やすことはなかった。宇山先生の手術は言うまでもなく超越していたが、助手の石田善敬先生の仕事も本当に素晴らしいと感じた。アームからの道具の着脱の手技が正確なだけではなく腹腔内に長い"エンド・リスト'を出し入れする時の『気遣い』は本当にスゴイと感じた。何となくやっているのではなく、腹腔内の臓器をdaVinciの”視野外”で損傷したりすることのないような微妙な動きで”安全に”挿入する。しかも、宇山先生が次の操作にすぐに移れるように3Dの視野の端にきちんとデバイスの先端を静かに持mr.davinciMr.daVinci : Dr.Ishida,Yってくる。最初はその器具の位置をda Vinciのコンピュータにメモリされてオートマチックなのだろうと勝手に解釈していたが、アームをアナログ的に微調整した後も同じ位置に鉗子の先端がくるのでそうではないと理解した・・・これは,本当にスゴイ技術だと感嘆した。それだけではない、キレイな手術を行うために腹腔内ではいろいろな器具が複雑に動き、そして展開していくが、このda Vinciのオペでは患者さんの体の外のロボットアーム同士が干渉しオペが続行不能になる場面だってありうる。石田先生はオペの流れを見極め微妙にロボットアームをコントロールすることによってそれらのトラブルを未然に防いでいた。石田先生はまだお若いので非常に失礼かもしれないがいぶし銀の輝きという表現しか思いつかなかった(汗)。そして何より素晴らしいと感じたのは、患者さんの一番近くで何が起こっているのか、どういう状況なのかを数m先でコンソール内に没頭しているオペレータの宇山先生に良く通る大きな声で逐一報告していたことだった。オペレータは腹腔内の状況をモニターで精細に見ることはできるが体の外のことを自分で把握しようとすると今のda Vinci systemではその都度、顔を上げて遠くに目をやらなければならない。そういうことをすると手術時間がかかるばかりかリズムが崩れ質の高いオペを遂行できなくなってしまうだろう。da Vinci での手術はオペレータがカメラも3本の鉗子もコントロールできるシステムなので一人だけでオペをする"solo surgery"だと思っていたが、実は最もチームワークを必要とするオペであることに気づかされた。しかも、助手の技量や感性・人間性がオペの完成度にかなりの貢献をすることも分かった。人は石田先生を『ミスター・ダ・ビンチ』と呼んているそうだが、まったくその通りだと納得した。さすが、レオナルド・ダ・ビンチが生まれ育ったイタリアの地において内視鏡外科の修行をしたのはダテではなかったということだ。
話は変わるが、da Vinciのアームが何故あれほど巨大で多くの関節が必要なのかとても疑問だったのだが、オペを見ていて気づいたことがある。オペに要求されるミクロン単位の精度での正確かつスムーズな動きを得るにはエンドリストの中央付近の動かない”支点”の近位と遠位での長さの比を大きくする必要があるのではないか・・。そう、実際、僕ら人間も細かいことをするのにも指先を動かすだけでは不十分だ。もうひとりの『イチロー』が小さなボールを捉えるのに必要とされる正確なバットコントロールをするのに足の指先の関節から、足関節、膝関節、股関節、脊椎、肩関節、肘関節、手関節、指関節の末端まで全身全ての関節を使っているではないか・・。微妙で正確なモーションを作り出すには微動だにしない強靱な体(アーム)と多くの関節が必要なのだ。

さて、オペの流れに話を戻そう。今回のケースは前庭部の胃がんである。型どおり大網を処理して左胃大網動脈を同定、4saと4sbの境の無血管域を確認し予定された範囲のリンパ節郭清を行った。大網の右側の処理では、以前に胆嚢炎の既往は臨床的には無かったようだが胆嚢周囲に大網が激しく癒着していた。加えて内臓脂肪も多く厳しい戦いではあったが、一切の妥協をすることなく⑥、④dそして今年改訂された規約から外れた14Vも綺麗に郭清した。これらの一連の手術操作を見ていて実は今まで感じたことのない違和感を感じた。それは、手術の現場を写すモニターの画像が恐ろしい程までに安定していたところだ。腹腔鏡手術にありがちな画面がぶれる、ピントが頻繁にずれる、水平線がずれる、視野の端っこで手術操作が行われるなどということは全くなかった。いい意味で人間味が感じられないニュートラルな画像という感じだ。見たいところを術者が自分でコントロールできるのは合理的であり、画像が安定することで手術の精度は向上するだろう。それと、外科医は生来2本しか手を持たない。しかし、オペの最中にもう一つの手が欲しくなる場合が多々ある。術野を作るために助手の手を使っても足りない場合もある。ネコの手も借りたいとよく言うが、実はこのda Vinciには3本目の手があり非常に有効だった。特に膵上縁の郭清時に”膵ころがし”をする場合にも微動だにしない『第3の手』が助手の第4の手に持ったガーゼとの協同作業によって手術に必要な視野と切離に必要である適切な組織の緊張状態を演出する。完璧に作成された『舞台』を『3本の手』とそれをリアルタイムに追尾する『立体カメラ』によってオペは信じがたいほど美しく流れていく。宇山先生は3本の『手』と1個の『両目』を両手・両足を通して本当にスムーズにコントロールしていた。『理想的な術野を高精細に立体視できる』、『第③の手を使ってより理想的な微動だしないTriangulationが作成できる』、そうすれば、必然的に完成度の高いオペになる。なるほど、da Vinciのオペを見ているとこれまで我々が行ってきた腹腔鏡手術がいかに窮屈なものであるのかを気づかされる。そうこうしているうちに完璧なリンパ節郭清は行われ、助手ポートから挿入したステイプラーによって十二指腸、そして胃が切離され幽門側胃がリンパ節とともに一塊に切除された。胃をプラスチックバッグに収納したのち標本を摘出し再建に移った。再建ではステイプラーを主に使用したが、針糸での縫合として十二指腸断端埋没なども行ったが、そこはdaVinciの十八番でありなんら困難性なく美しく遂行された。

fujita health university藤田保健衛生大学オペが終わってから、僕はある映画を思い出した。『アバター』そして『マトリックス』である。アバターでは地球上の戦闘で下半身不随になってしまった元海兵隊員の主人公ジェイク・サリーがアバターを『操縦』しているときには歩くことができるばかりか飛躍的に身体能力が向上し幾多の困難を乗り越えることができた。マトリックスではキアヌ リーブスが演じるネオがコンピュータによって作られたバーチャルな世界であるMATRIXに入り込み、精神的に成長するにつれて生身の人ではとても不可能な弾丸をよけるとかの超人的なことが可能となっていった。映画の中でもあるように、『すべては心が決める』のである。オペの完成度が高い外科医とそうでない外科医の差は、手先が器用であるとか指が長くでしなやかだとか、そういった身体的なものよりも、その人がもっている『感性・知性』に負うところが大きいと僕は思っている。その一方で感性・知性がどんなに優れていようと実際の人間の身体的能力には物理的限界がある。狭くて深い臓器の裏側などは光が届かず肉眼で見えないとか、手指の大きさ・形で狭くて深い場所での操作が困難とか、細かい血管を縫い合わせようとしたら生理的に手が震えてしまうだとか・・・。でも、恐らくだが、メンタルな能力の限界はそういったフィジカルな能力の限界よりもっと上だと思う。我々外科医はいつでも理想的なオペを探究している。腹腔鏡手術の登場によって、患者さんはきずの小さな痛みの少ない手術の恩恵を受けることができ、我々外科医は新しい目と新しい手を手に入れた。たしかに内視鏡手術では得たものも多かったが、同時に不自由になったところもあった。不自由の中でいかにして完成度の高いオペをやっていくのかを我々内視鏡外科医は20年以上探究し続けてきた。このda Vinci手術は内視鏡外科手術において、理想を追求する外科医の精神世界と不自由を余儀なくされる現実空間での物理的制限のギャップを埋めてくれる可能性がある。ロボット手術とは言っても、トヨタの自動車工場にある産業ロボットが勝手に単純な工程を無限にこなすのとは違い、da Vinciでは世界でオンリーワンの患者さんに合ったもっとも適切なオペを外科医がリアルタイムに臨機応変に判断し指示することによって機能する。外科医という生身の人間の精神世界をda Vinciという『アバター』によって具現化するシステムと言うことができるだろう。このrobotを使えばだれでも同じようにいいオペができるとは思えない。その外科医が持っている美意識だとか哲学だとかそういったものがより増幅されて如実に形として現れてくるはenFriends and colleaguesずだ。da Vinci systemは精神の具現化装置、そして増幅装置ということができるだろう。

いろいろな理由で、このオペを僕らのような一般病院の外科医がすぐに始めることはもちろんできないが、開腹手術、普通の腹腔鏡手術などについてもう一度考えて見る非常にいい機会だったと思う。外科手術は魔法ではない。切ったり、剥がしたり、縫ったりといった物理的な衝撃を人の体に与え疾患を治療する方法だ。化学的な衝撃を与えることによって治療するいわゆる内科的治療(薬物治療)では治せない疾患が現実的に多数存在する以上、我々外科医はより精度の高い、安全なオペを探究して行かなくてはならない。このda Vinci は理想を追い続ける外科医をいつかもう一つ上の次元に連れて行ってくれる救世主になるかもしれない。

世界中に広がる音楽、モーツアルトもベートーベンも、ビートルズも、Michael Jacksonも、そしてLady GAGAでさえ、時代もジャンルも超えてどんなmusicもその源流はJ.S.Bach(ヨハン・セバスチャン・バッハ)だと言われている。Bachはドイツ語で『小川』を意味するがその小川から始まった音楽はやがて大河となり大海原へ注ぎ込む。『宇山一朗』を思うとき僕はいつもBachを感じる・・『理解』しようとしてもできない、その大きすぎて見えない存在をただ『感じる』のみだ。いつまでも錆びることのない彼のEver Cutting Edgeが切り開くその眩しすぎる世界をいつまでも感じ続けることができればと思う。

宇山 一朗 Ichiro Uyama MD

宇山 一朗先生は藤田保健衛生大学・上部消化管外科学教室の教授で胃がんを中心とした腹腔鏡手術の開発や発展に多大なる影響を国内外に与え続けています。常に最新・最良の内視鏡外科治療を探究する姿勢は、その静かな風貌やソフトな語り口からは想像できないほどアグレッシブです。イマジネーションに富んだ天賦の才があるのも確かだと思いますが、だれも注目することの無いような埋もれた文献から内視鏡外科に応用できる”人類の知”を探し出してくるのにはいつも驚かされます。絶対的な地位を得た現在でさえ安住の地にとどまることをせず、あえて自身をオープンソースとすることでいろいろな技術や知識を取り込み進化し続けるその姿は圧巻です。

出典: 天才内視鏡外科医の群像 稲嶺進著

geneusUyama and Sakai